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インプラント周囲炎とは?症状や予防策

近年、歯を失った場合の治療法としてインプラントが広く普及しています。インプラントは見た目や機能性に優れ、患者様にとっても大変魅力的な治療方法ですが、インプラント治療にはリスクも伴います。その一つが「インプラント周囲炎」です。


この病気は、インプラントを支える骨や周囲の組織に炎症が起こる疾患で重度に進行した場合には、
インプラントの喪失につながることがあります。本記事では、インプラント周囲炎の症状や原因、予防策について詳しく解説します。


インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎は、インプラントが埋め込まれた後、その周囲の組織に炎症が生じる状態を指します。いわゆる歯周病と同じ症状です。通常細菌感染が原因で発生し、軽度の状態から重度のものまでさまざまな症状があります。


はじめは自覚症状がないことも多いですが、炎症が進行すると、周囲の骨が減少し、最終的にはインプラントが抜け落ちる可能性もあります。


インプラント周囲炎の進行段階
インプラント周囲炎は主に、2つの段階に分けられます。


「インプラント周囲粘膜炎」

→この段階では歯肉の炎症のみの症状で気づかないことも少なくありません。


「インプラント周囲骨炎」

→さらに進行するとインプラント周囲骨炎が発生し、骨の吸収が見られるようになります。この段階で治療が遅れるとインプラントの喪失につながります。


インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎の症状は、その進行度によって異なります。初期の段階では、ほとんど自覚症状がないこともありますが、次第に以下のような症状が現れることがあります。


初期症状


①歯茎の赤み:歯肉が炎症を起こすと通常よりも赤くなります。
②軽度の腫れ:歯肉が腫れてしまい、触れると柔らかく感じることがあります。
③出血:歯磨きや食事の際に、軽い出血が見られることがあります。


進行した場合の症状


炎症が進行すると、以下のような、より深刻な症状が見られます。


①歯肉の激しい腫れ:腫れがひどくなり、痛みを伴うことがあります。
②痛みや不快感の増加:食事や会話の際に痛みを感じることがあります。
③膿の排出:炎症がひどくなると、膿が出ることがあり、臭いを伴う場合もあります。
④インプラント周囲の骨の吸収:レントゲン写真において骨の吸収が確認されることがあります。

 

インプラント周囲炎の原因


インプラント周囲炎は主に、以下のような要因によって引き起こされます。


・プラークの蓄積
インプラント周囲の炎症は、プラークの蓄積から始まります。口腔内の細菌が集まり、プラークを形成します。放置するとプラークはバイオフィルムを形成し、細菌が増殖します。この状態が続くと、炎症が引き起こされます。
バイオフィルムや歯石は歯科医院でしか除去できないため、プラークの段階で綺麗に落としておかなければなりません。


・喫煙や糖尿病の影響
喫煙によって血流が減少して免疫機能が低下するため、細菌感染のリスクが増加します。また、糖尿病患者は血糖コントロールが不十分な場合、感染症にかかりやすくなります。


・ケアが不十分または不適切
インプラント治療後のケアが不十分な場合や口腔ケアが適切でない場合、プラークが溜まってしまうため、当然インプラント周囲炎が発生しやすくなります。治療後は患者様自身の意識と努力が非常に重要になります。


インプラント周囲炎かなと思ったら


先述した初期の症状が見られた場合や、インプラント周囲に異変を感じたときは、早めに受診することが重要です。インプラント周囲炎の診断は、主に歯科医師による視診や触診が基本です。診断の確定を行う際には、以下の方法が用いられます。


・レントゲン検査:レントゲン画像によって、インプラント周囲の骨の健康状態が把握できます。

・プロービング:歯周ポケットの深さを測定し、炎症の程度を評価します。


インプラント周囲炎の治療法


インプラント周囲炎の治療は、その進行度によって異なります。
 

初期状態

初期のインプラント周囲炎では、非外科的治療と言われる治療法が行われます。


プラーク除去:歯科医によるスケーリングや、ポリッシングでプラークを除去します。
抗生物質の使用:抗生物質を処方されることがあります。
口腔ケアの指導:患者様自身による口腔ケア方法を指導し、再発防止につなげます。


進行状態
進行した場合には、外科的手術が必要になることがあります。


フラップ手術:歯肉を切開して炎症を起こしている部位を清掃します。
骨移植:必要に応じて、失われた骨の再生を図るための手術が行われます。骨を移植することで、インプラントの安定性を回復できます。
インプラントの再治療:重度の炎症がある場合には、インプラントを再埋入することも検討されます。


インプラント周囲炎の予防策


インプラント周囲炎になってしまうと、大掛かりな治療が必要になってしまうこともあります。大切なのは日頃からしっかり予防に努めることです。予防するためには、以下のポイントが重要です。

・正しい方法で行う日常の口腔ケア
インプラントを装着した後も、毎日の歯磨きやフロスでの清掃を怠らないことが非常に重要です。特にインプラント周囲の清掃を意識し、細菌が蓄積しないように努めましょう。歯磨きをする際は、やわらかい歯ブラシを使い、優しく磨くようにしてください。また、歯磨きでは落としきれない部分もあるのでデンタルフロスやインターデンタル
ブラシも活用して、インプラント周囲のプラークを除去することも効果的です。


・定期的な歯科検診
日々のセルフケアはもちろん重要な要素ですが、それと同じくらい定期的な歯科検診を受けることも重要です。
定期的に歯科医院で診てもらうことで、自分では気づかないことでも早期発見が可能です。また、自力では落としきれない汚れや細菌もクリーニングをしてもらうことで綺麗に落とすことができます。一般的には、歯科検診の頻度は3ヶ月に1回〜年に2回の頻度が推奨されています。


・食生活の見直し
バランスの取れた食事は、口腔内の健康にも影響します。糖分が多い食品は、細菌のエサとなりやすいため、控えめにして、ビタミンCやカルシウム、ビタミンDなどを取り入れることを意識してみてください。


・生活習慣の改善
食生活と合わせて生活習慣も重要です。飲酒や喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めてしまうこともあるため、できるだけ控えるのが望ましいです。特に喫煙はインプラント周囲炎を悪化させ、治りにくくさせると言われているため、治療後は禁煙するのがベストです。

まとめ
インプラント周囲炎は、インプラント治療後でもっとも気を付けるべきリスクであり、放置すると治療が台無しになってしまうこともあります。


どんな症状が出るのかをきちんと理解して初期症状を見逃さず、早めに対処することが求められます。また、日々の口腔ケアを丁寧に行うだけでなく、歯科医院での定期健診も怠らないようにしましょう。これらを並行して実践していくことで、インプラントを長持ちさせることが可能です。わからないことや困ったことがあったらすぐに
担当医に相談してみてください。