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インプラント治療後の生活はどうなる?痛みや腫れの対処法

インプラント治療は、失った自分の歯を補うための優れた治療方法として近年多くの人に選ばれています。しかし、治療後のケアや対処法について不安を感じる方も少なくありません。特に、術後の痛みや腫れなどの症状に対しての不安をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。

そこで本記事では、インプラント治療後の生活において注意すべきポイントや、痛みや腫れが出た場合の対処法について詳しく解説します。

インプラント治療、術後の経過イメージ

インプラント治療直後のお口の中は、手術による影響で多少の不快感や違和感を覚えることがあります。手術直後には、麻酔の効果が切れるのに伴って軽い痛みや腫れを感じることが一般的です。これらの症状は長く持続するものではなく、時間の経過と共に自然に治癒する症状であり、大体の場合、数日から1週間程度で改善してきます。また、インプラント体を顎骨に埋め込んだ後の結合期間は、2ヶ月以上かかることがほとんどで、その期間中は丁寧かつ慎重なケアが必要になります。この時期に適切なケアを行うことで、術後の経過も順調になります。

痛みの原因やピーク

術中は麻酔が効いているので痛みを感じることはほとんどありませんが、術後は麻酔が切れて痛みが見られることがあります。これらの症状は、外科手術に伴う正常な反応のひとつなので、過剰に心配する必要はありません。痛みの原因としては、手術に伴う組織の損傷や、インプラントが埋入されたことによる骨への刺激などが挙げられます。手術の規模や感じ方、症例など、痛みの強さは個人差があります。

痛みの対処方法

インプラント手術後の痛みはどうしても避けられない部分もありますが、適切な対処を行うことで痛みを最小限に抑えることが可能です。

①市販薬や処方されたお薬を服用
術後の痛みについては、歯科医院から処方される鎮痛剤や市販薬を使って痛みをコントロールすることが一般的です。痛み止めを指示通りに服用することで、痛みを効果的に管理できます。痛みが辛い場合は痛みが出る前にお薬を飲むようにしてみてください。また、市販の鎮痛剤を使用することも可能ですが、服用する際は、安全のため、必ず歯科医師に相談するようにしてください。

②血行を促す行為を避ける
お薬だけでなく、過ごし方も大切です。例えば、血行を促すような激しい運動や入浴は避けて、できるだけ硬い食べ物を控えるなどの食生活の工夫も必要です。また、痛みがひどい場合や長引く場合は、歯科医師に相談してアドバイスを受けたり、場合によっては治療を受けるなどの対処が必要になります。

腫れの原因やピーク

痛みと同様に、術後は患部の腫れなどが見られることもあります。腫れる原因としては、手術部位の組織が損傷を受けたことによるものです。腫れは手術後24時間から48時間後にピークを迎え、その後徐々に引いていきます。人によっては顔の一部が腫れることもありますが、これは手術部位への血流が増加したために、体が治癒を進めている証拠なので、過剰な心配をする必要はありません。痛みと同じように冷静に対処しましょう。

腫れの対処方法

腫れはインプラント手術後の一般的な症状なので、適切な対処を行えば順調に回復していきます。

①患部を冷やす
腫れがひどい場合は、患部を冷やすことで、腫れを抑えることができます。冷却は、大体15〜20分間隔で行い、直接肌に当てないように十分注意してください。保冷剤などを直接当ててしまうと冷やしすぎて逆効果になるので必ずタオルに包むなどの工夫をしてください。

②頭を高くして寝る
体勢を工夫することも腫れを抑えるために必要です。寝る際には、枕を2〜3枚重ねて頭を高く保つことで、顔への血流が減少し、腫れが軽減されます。痛みと同じように、あまりにも大きく腫れている場合や腫れが長引く場合は、担当医に相談して追加の治療やアドバイスを受けましょう。

術後の生活は食事や生活習慣にも注意

インプラント手術後の回復を促すためには、食事や生活習慣にも注意が必要です。

食事を工夫する

術後の回復を助ける食事としては、術後数日間は柔らかくて栄養価の高い食べ物を選ぶことが重要です。スープやヨーグルト、ペースト状の食べ物などが適しています。また、食事中は患部に刺激を与えないように、噛む回数を少し減らし、強い力で歯ぎしりや食いしばりをしないように注意しましょう。

禁忌事項を守る

術後はいくつか生活における禁止事項がもうけられることがあります。その例が飲酒や喫煙などです。これらは治癒を遅らせるだけでなく、感染のリスクを高める可能性があります。特に喫煙は、インプラントの成功率を下げる要因となるため、禁煙することを強くおすすめします。

仕事は無理なく運動は控える

仕事や運動に関しては、手術後数日は無理をせず、体を休めることが大切です。軽い運動や仕事には数日から1週間程度で復帰できますが、激しい運動や重労働は避け、少なくとも2週間は様子を見るのが治療経過を良好にするためにもおすすめです。

定期的なメンテナンス

歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることも、インプラントの長期的な成功を確保するためには欠かせない要素のひとつです。セルフケアや生活習慣の改善だけでなく、歯科医師による定期的なチェックを受けることで、早期に問題を発見し、適切な対応を行うことができます。

どのくらいで日常に戻れる? 合併症や異常が見られた場合の対応

インプラント手術後、日常生活に戻るまでには一定の時間が必要ですが、翌日に仕事復帰する方もいらっしゃいます。インプラントの術後は適切なケアを行うことで早期の復帰が可能です。また、痛みや腫れなどは一般的な症状ですが、なかなかよくならない場合や症状が大きい場合、予期しない症状が現れた場合などは、早めに歯科医師に相談しましょう。

歯科医に相談するべきタイミングとして、下記を参考にしてみてください。

✔️激しい痛みが続く

✔️腫れが引かない、または悪化する

✔️発熱や膿が出る

✔️インプラント周囲炎が起きている(インプラント周囲の歯ぐきが異常に赤く腫れる)

これらの症状は、感染症やインプラントの不具合が原因で起こっている可能性があります。早期に対応することで、問題が深刻化する前に治療を行うことができます。大事にならないためにも緊急事態の見極め方も重要です。たとえば突然の激しい痛みや大量の出血が発生した場合は、すぐに歯科医師に連絡して指示を仰ぐようにすることが必要です。場合によっては、緊急での処置が必要になることもあります。

まとめ

インプラント治療は手術が必要になるので、術後数日間は痛みや腫れなどの症状が発生することがありますが、適切な対処を行うことで順調に回復していきます。治療後の数日間は特に重要な期間になるので正しいケアを行い、安静を心がけて健康な口腔環境を維持するようにしましょう。

痛みや腫れが続く場合、もしくはお辛い場合は速やかに担当医に相談してください。